今回は、藤枝晃著の『文字の文化史』を紹介します。
本書には象形文字から始まり漢字の誕生、印刷に至るまでの歴史や書体の変遷が書かれています。写経など貴重な図版も豊富です。 皇帝の文字、臣下の文字など現在までに生まれた書体がどのような立場の人のためのもので、その限られた人のものから万人のものになるまでの経緯は興味深かったです。
文字の造形や筆法にのみ焦点を当てたものではなく、筆などの道具、文字が記される素材、本などの形式の変遷についても書かれていて、文字が生まれて読まれたその背景も横断的に知りたい方におすすめです。
続いて『文字の文化史』に関連して弊社の鈴木から選書へのコメントです。
『図説 中国書道史』は図版の選択と分量が適切で、手元に置いておくガイドブックとして好適。書体の変遷を図解したフローチャートは、長大で複雑な漢字書体史の理解を助けてくれる。
書籍情報:
『文字の文化史』
著者:藤枝晃
発行:岩波書店
購入情報:
https://www.iwanami.co.jp/book/b270004.html
在庫切れですが、古書で購入できます。
書籍情報:
『季刊墨スペシャル第9号 図説中国書道史 書を学ぶ人のための』
発行:芸術新聞社
購入情報:
在庫切れのため古書で購入できますがやや入手しづらいです。
(RK)