TPの書庫から『祈りの文字』『町まちの文字』

今回は、蓜島庸二著の『町まちの文字』と『祈りの文字』を紹介します。 『町まちの文字』は看板や暖簾、『祈りの文字』は扁額やお札など、たくさんの写真と共に筆者やその知人が訪ねた文字が紹介された本です。

『町まちの文字』『祈りの文字』を合冊・再編集した『町まちの文字 完全版』もあります。

『町まちの文字』は「ちょうちん屋復権ー序にかえてー」というテキストから始まりました。書道で一気に筆を運ばずなぞり書きすることを、江戸時代からの提灯・看板屋になぞらえて「ちょうちん屋」と呼び、著者は「ちょうちん屋」をすると学校の先生から叱られたそうです。なるほど、フォントの一文字一文字を直し直し作っている私は日々ちょうちん屋をしています、とちょっとした親近感が湧きました。しかし読み進めるにつれ、フォント(活字)と本書で紹介されている文字は、とても対照的なものにも思えてきます。活字は組み換えていろいろな文章に使えるよう汎用的にデザインされるのに対し、この町々の文字と祈りの文字の多くはその書かれた場所のために用意された特別な文字なのです。

筆者の感性・体験・知識とともにそれぞれの文字を読み解いていくと、たった数文字を写した写真にも多くの情報が内包されていました。写真の多い本だと気楽に構えていたのに読了まで予想以上の時間がかかってしまいましたが、嬉しい誤算であったと感じます。

書籍情報:
『町まちの文字』

著者:蓜島庸二

発行:芳賀書店

購入情報:
https://www.amazon.co.jp/dp/B000J939U0/ref=cm_sw_r_tw_dp_5101193S8V2BV8QBZ1WF

アマゾンでは中古品が販売されています。

書籍情報:

『祈りの文字』

著者:蓜島庸二

発行:芳賀書店

購入情報:
https://www.amazon.co.jp/dp/B000J94LZC/ref=cm_sw_r_tw_dp_KJAV0YKK6CWY9T9NBFBV

アマゾンでは中古品が販売されています。

『町まちの文字』『祈りの文字』を合冊・再編集した『町まちの文字 完全版』もあります。

書籍情報:

『町まちの文字 完全版』

著者:蓜島庸二

発行:グラフィック社

購入情報:

グラフィック社

http://www.graphicsha.co.jp/detail.html?p=42540


(担当T)

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