書体づくりの舞台裏:フォントの赤入れ02「S- S+、C- C+」

前回は簡略化した赤入れとしてW-とW+の紹介をしました。今回ももう少しアルファベットの赤入れを紹介していきます。

Sはサイズの意味で、S-なら「小さく」、S+なら「大きく」という指示です。単純に拡大縮小すると筆画の太さもいっしょに変わってしまうので、太さは変えずに骨格を小さくしたり大きくしたりするようなイメージで修正します。

「医」は文字全体を小さくという指示です。四角い文字は字面いっぱいに作ると他の文字より大きく見えがちなので、サイズ調整で気を使います。「筑」は竹冠の左の部分だけを大きくという指示です。竹冠は左右のバランスもチェックします。

Cはカウンターの意味です。C-なら「カウンターを狭く」、 C+なら「カウンターを広く」となります。ここでは「古」の「口」の部分のカウンターを狭くするよう指示が入っています。TPスカイシリーズの赤入れではC+よりC-をよく見ました。

他にも、「G」で重心の上げ下げを指示したりします。

(担当T)

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