書体づくりの舞台裏:フォントの赤入れ01「新人へのチェック、W- W+」

タイププロジェクトでは、赤入れと修正を何度も繰り返してフォントの品質を高めていきます。今回からのシリーズでは、TPスカイファミリー制作時の資料からの赤入れをいくつか取り上げて、その指示内容を紹介していきます。

これは私が入社1年目の時、制作した漢字に先輩が赤入れをしてくれたものです。「紕」は偏と旁の間が狭いから糸偏の幅を狭くしてあいだを少し開けるように、「稱」は「冉」のカウンターを上が狭く・下が広くなるようにする、といった内容が書き込まれています。新人向けに基本的な作り方の指導も含めた赤入れなので丁寧に指示がありますが、慣れてくると簡略化した赤入れが増えてきます。

例えば、W-とW+はよく登場します。Wはウエイトの意味で、W-なら「筆画を細く」、W+なら「筆画を太く」です。この場合は、「運」の「車」だけ細く、「幼」の「⺓」だけ太く、という指示になります。

数百字、数千字を一気にチェックすることもあるので、書き込みは簡潔にしてスピーディーに赤入れをしています。

(担当T)

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