赤入れでは文字の一画一画も入念にチェックします。ここまでに紹介した「W、S、C、<、><」は文字全体や部首などに書き込まれることが多いのに対し、「たてる、ねかす」は筆画に対して書き込まれることが多い赤入れです。
たてるは「角度を垂直によせる」、ねかせるは「角度を水平によせる」の意味です。どのくらい角度を変えるかは他の文字とのバランスをみて判断します。
必要性から修正指示が多くなってしまいますが、「OK」のような肯定的な書き込みもあります。OKが出たグリフを基準にして他のグリフを修正したりします。他には「S-の修正はOKだからサイズはこのままで、でもW-はもう一押し」のような時もOKを使います。修正点だけではなく、良い状態の文字もプロジェクトメンバー同士の共通認識にしていくことで、制作がよりスムーズになります。それに、褒められるとやっぱり嬉しいです。
以上、フォントの赤入れの紹介でした。
(担当T)
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シリーズアーカイブ その他 / 書体づくりの舞台裏
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