Webフォントのデザインテクニック01「見出しやリード文を詰め組みしよう」

見出しやリード文など、文字サイズが大きいために文字間が目立つ場合や、文の視覚的なまとまりが欲しい場合は、詰め組みするとより綺麗に見せることができます。

OpenType フォントは、文字の形状だけでなく、文字組版に関するさまざまな機能についての情報を含んでいます。

このうち、paltkern(縦組みの場合はvpalvkrn)という OpenType 機能を利用することで、Web フォントでも詰め組みすることができます。

palt/vpalは、全角グリフの文字幅を文字ごとに適切に設定する(プロポーショナル)機能です。

上が何もしていないもの、下がpaltを適用したものです。

kern/vkrnはグリフ間のスペースが均一になるように、グリフの位置を調整する(カーニング)機能です。

上の青い文字がpaltのみ、下の赤い文字がpaltkernの両方を適用したもの、中央はそれら2つを重ねたものです。kernにより位置が調整されていることがわかります。

※主要なブラウザでは、kernfont-kerningプロパティのauto値によって、デフォルトで適用されています。しかし、日本語 OpenType フォントの kern/vkrn 情報は、 palt/vpal が適用されていることを前提に設定されているので、2つ合わせて設定する必要があることに注意してください。

Web フォントでこれらの OpenType 機能を利用するには、font-feature-settingsプロパティを利用します。

今回の詰め組みでは、横組の場合は

font-feature-settings: "palt", "kern";

縦組みの場合は

font-feature-settings: "vpal", "vkrn";

と指定すると、詰め組みを実現できます。

ちなみに、これらを利用すると letter-spacing で文字間を空けて組むときにも、より均一な空き具合にすることができます。

paltkern は便利な機能ですが、長めの文に適用すると、文字のリズムが不均一になってしまい読みづらくなるため、本文への適用はおすすめしません。

また、これらの OpenType 機能はフォントによっては実装していないものもあります。

参考

フォントの組版機能01「OpenTypeフィーチャーって何?」(TPスタッフブログ)
フォントの組版機能02「GPOSとGSUB」(TPスタッフブログ)
palt 仕様

vpal 仕様

kern 仕様

vkrn 仕様

Adobe による font-feature-settings の詳解

(LN)

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