タイププロジェクトではこれまでのフィットフォントサービスによる書体提供の経験をもとに、さらなるサービスの強化のため、技術開発を続けています。
以前の記事で、ウェイト、コントラスト、字幅の3軸を持つ日本で初めての書体ファミリーとして、TPスカイを紹介しました。その次のステップとして4つめの軸を加えたTPスカイを開発し、TPスカイクラシックとして2021年6月にリリースしました。
新しく追加された4つめの軸、それはフトコロ軸です。フトコロとは、文字を構成する筆画同士の間の空間のことを指します。和文書体の骨格を見てみると、クラシック寄りのデザインはフトコロが小さく引き締まった印象なのに対して、モダンなデザインではフトコロが広めの傾向にあります。


フトコロの広さを連続的に変化させるという発想は、少なくとも日本語フォントのなかでは初めてではないかと思います。フトコロの広さはデザインの特徴や雰囲気に大きな影響を与えます。そのため、フトコロ軸を変化させることで得られる表情の変化はとても興味深いものであり、追求していくことでタイププロジェクトのライブラリと技術をより豊かなものにできると私たちは考えています。欧文フォントとのマッチングという意味でも、このような多様な軸を備えたフィットフォントはフィッティングの幅を広げ、バラエティに富んだ書体同士の組み合わせを提供できることでしょう。

(XYZ)
用語