Webフォントの概要03「Webフォントの課題」

前回は Web フォントの魅力や利点について書きましたが、Web フォントにはいくつか課題もあります。

一つは料金の問題で、フォント配信サービス・セルフホスティングライセンスは、ほとんどが有料で、これが一つのハードルとなっているようです。また、長い期間残す必要があるサイトの場合は、現在のフォント配信サービスの料金体系と相性が悪い場合があります。

「デザイナーとしては Web フォントを導入したいが、クライアントとしては予算が取りづらい……」というケースは未だあるかと思います。本シリーズでは、このような Web フォントへの価値観のギャップを埋められるよう、Webフォントの魅力や効果をより細かく紹介していけたらと思います。

そして、技術的に最も大きい問題として、フォントデータの容量があります。日本語フォントは収録する文字の数が多いため、フォントデータの容量も大きくなります。これにより、Web ページの表示速度が低下してしまったり、特に規模の大きいWebサービスでは、フォントデータ配信によるサーバーへの負荷が大きいなどの理由で、導入を断念せざるを得ないケースがあります。

もう一つの技術的な問題として、Webフォントをダウンロードしている間にどのように表示するかを考える必要があります。実装によっては、ページ読み込み時に文字が見えなくなってしまう「FOIT(Flash Of Invisible Text)」という現象や、見えない間の代替のフォントで表示したあと、Webフォントに切り替わる際のちらつき「FOUT(Flash Of Unstyled Text)」現象が起こります。文字は誰しもが目に入れるものなので、これらの現象は閲覧のストレスとなります。

本シリーズでは、このような技術的課題についても、具体的な解決策を紹介していきたいと思います。

(LN)

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