和文約物03「括弧」

今回はどうにもややこしい括弧類のお話です。丸括弧()やカギ括弧「」のようにいくつかの種類がある上に、それぞれに開きと閉じ、横組み用と縦組み用、全角と半角、と必要なグリフを考えるだけでもちょっとややこしく思えてきます。

括弧のデザインで気をつけたいのが、全角の括弧でも半分の幅でデザインするという点です。組版の括弧前後のアキには様々な設定があるため、半分の幅を超えてデザインすると隣の文字とくっついてしまうことがあります。全角括弧とは別に半角括弧もあるのですが、組版で使われるグリフは基本的に全角の方です。

一部の括弧では和文用と欧文用をそれぞれ用意することがあります。正方形の枠の中で一文字一文字を作る和文と、ベースラインの上下に高さを設定する欧文、括弧もそれぞれの文字群に合わせて調整が必要です。和文に対して欧文括弧は少し下がって見えると時折言われますが、それはディセンダーをもつ欧文に合わせているからです。

一般的に半角括弧というと上記の欧文括弧を指すかと思います。しかし制作上の字幅区分において、欧文括弧は半角ではなくプロポーショナルであるのがやっぱりややこしいところです。

(担当T)

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