純明朝開発ストーリー1「骨格の特徴 その1」

純明朝・純明朝 ヘッドライン・純明朝 ヘアラインで漢字を担当した私は、仮名との関係や、どのような書体を目指すのか、書体の位置付け、新しいものにするにはどのような形になるのかを探りつつ制作を始めました。漢字筆画の細部ももちろんですが、それ以上に骨格に苦心しました。

制作当初から横組みを主眼に置き、縦組みでも実用性を持たせることが念頭にありました。特徴として、仮名はゆったりとした筆の動きを持ちつつも落ち着いた骨格で、小ぶりで引き締まっています。漢字も細部や骨格に強い個性を打ち出さず、縦方向に引き締まっています。

上記の特徴や大きさの比率によって、横組みでは漢字と仮名の固有の表情、仮名の脈略や筆の動きが見えやすく、縦組みでは仮名と漢字がともに引き締まっているため縦方向に目が流れるようにラインが揃いフラットで、字面いっぱいの漢字を持った明朝体とは違う印象があります。それを特徴付けている引き締まった漢字の骨格をどのように制作していったか、次回の記事で紹介します。

(RK)

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