TPスカイ モダン Blkの制作は、TPスカイ ローコントラスト Bから骨格を広げて筆画を太くする作業でした。画数の少ない漢字は骨格を広げるゆとりがあるのですが、画数の多い漢字は太い線が混み合うので筆画を動かす余地が限られています。両者が一つの組版の中に混在しても揃って見えるように試作を重ねながら骨格の広げ具合を調整しました。
スタンダードな和文書体の中では特に太いウエイトを目指していました。フィットフォントなどでの利用も想定して、モダン Blkの試作欧文だけでなく他の欧文書体とも組み合わせたサンプルを作り、TPスカイローコントラスト Bから数段太いウエイトにも合わせられることを確認しています。
画数の多いグリフを太くするとき、主要な筆画だけを太く・その他の筆画を細くして混雑を避ける手法がありますが、モダン Blkはこの太細の差を控えめにしてなるべくフラットに見えるよう作っています。これはTPスカイ ファミリー(特にローコントラストのシリーズ)のデザイン方針であり、その他の点においても「TPスカイシリーズの一員である」というのは抑えるべき重要なポイントでした。
(担当T)