私がTPスカイ モダン Blkに参加したばかりの頃によく考えていたのは「“モダン”ってなんだろう?」ということです。ひらがなや欧文の試作は既に出来ていて目指すところは示されていたのですが、それでも担当することになった漢字やカタカナをカタチにしていく上で“モダンな和文書体”のイメージが自分には足りないと感じていました。
というのは、デザイン・文字業界にモダンスタイルとカテゴライズされる和文書体が出始めた頃の衝撃や流行の話は見聞きしていたものの、自分自身は当時まだ生まれていないか赤ちゃんの頃なので個人的にモダンには「体験しそびれたもの」という印象があったのです。そこで、その見聞きしていた和文書体を調べるのはもちろん、欧文書体や建築・アート・ファッションなどの分野からもモダンを捉えようとしてみました。私はよく作業中に音楽を聞いているのですが、当時はTPスカイ モダンが似合いそうな曲を選んだりもしていました。
モダンのイメージが少しずつ入ってくるのと同時に「リバイバル的な流行」「多様化する社会」といった体験しているキーワードも合わさってきて、このモダンはきっと「これからの活躍する”モダン”」なのだろう、と完成したフォントを使ってもらえるシーンが想像できるようになりワクワクしたのを覚えています。
(担当T)