株式会社PFU イメージビジネスグループ 伊藤 崇一氏/佐藤 菜摘氏

メッセージを伝える文字、イメージを醸成する文字

一見、ごくシンプルなデスクライト。それが、iPhoneを載せるだけで、高性能スキャナに変身する。PFUが開発し、販売しているSnapLiteは、まったく新しい発想を形にしたプロダクトです。今までになかったジャンルの製品であるだけに、コンセプトの紹介や使い方の提案など、ユーザーやマーケットに向けた情報発信が、きわめて重要となります。多彩なコンテンツを掲載するSnapLiteのWeb サイトや各種のコミュニケーションツールでは、一貫してAXIS Fontが使われ、ブランドイメージの確立に貢献しています。

ドキュメントスキャナで世界No.1のシェアを誇るPFUは、定評ある技術力をより広いマーケットで活かしていくために、2013年、同社における初の試みとして、若い女性を中心としたプロジェクトチームを結成。このチームは、約半年という短期間でSnapLiteを世に送り出しました。

これまでPFUでは、ウェブ、プレスリリース、カタログなど、媒体によってさまざまなフォントを利用していましたが、SnapLiteのプロジェクトでは、それらをすべて統一しました。国内営業統括部パーソナルビジネス営業部担当課長の伊藤崇一氏は、次のように述べています。「製品のコンセプトからプロモーションの手法までを含め、すべてを専任チームが中心となって決定しました。フォントの選定も、そのひとつです。AXIS Fontは非常にシンプルなのに奥が深く、きめ細かな配慮が行き届いていて使いやすい。そういう意味で、SnapLiteと共通するものがあるように感じました」

また、チームの中心メンバーである佐藤菜摘氏は、こう語っています。「今回は、いわば社内ベンチャーのような形で新しいブランドを立ち上げました。加えて、SnapLiteは既存の枠に収まらないものだったので、コミュニケーションでは、なによりも製品そのものを際立たせることを大切に考えました。そのために、目立ちすぎずシンプル、かつ製品の世界観をきちんと伝えてくれるフォントということで、AXIS Fontを選びました」

SnapLiteのWeb サイトでは、すべてのテキストの表示をWeb フォントに統一。これもPFUでは初のケースです。「ウェブ通販をメインで考えていたので、カタログとウェブの印象が変わらないことを大切にしました。AXIS Fontはレイアウト上の制限が多いブラウザで見ても、まったく印刷物と遜色がなく、驚いています」(佐藤氏)

SnapLiteは発売後、多くのメディアに取り上げられ、好調なスタートを切りました。「たとえば家庭で、料理の手順やこどもの作品をiPhoneで撮影しようとすると、ブレたり影が入ってしまったりという困りごとがありました。それがSnapLiteを使うことによって簡単にうまくいくようになったと、好評をいただいています」(伊藤氏)

伊藤崇一氏
「SnapLiteについては、海外からの問い合わせも少なくありません。今後、海外での販売が実現したら、そのときは、やはりAXIS Fontでメッセージしたいと考えています。AXISフォントが多言語に対応しているのは心強いですね」

佐藤菜摘氏
「従来のスキャナのイメージは、『さあ使うぞ』と気合いを入れて、パソコンを立ち上げてから使うものでした。SnapLiteは、ふだんの自分の生活に溶け込み、寄り添ってくれるような製品を目指して開発しました」

「『PFUのイメージがガラッと変わったね』とよく言われるのですが、それはフォントの影響も大きいのではないでしょうか。メッセージをごく自然に伝えながら、ブランドイメージをしっかりと醸成できる点がAXIS Fontの強みだと思います」(佐藤氏)

カタログ、プレスリリース、マニュアル、Web サイトで使われているフォントは、すべてAXIS Font。カラフルなデザインのプレスリリースも、プロジェクトチームのこだわりのひとつ。

(写真/加藤 康)