特徴

フトコロが広い仮名と軽快なリズムの欧文
TPめいげつは、藤原定家の個性味あふれる筆跡を現代風にアレンジしています。優美な古筆のなかにあって異彩を放つ定家の文字は、ひときわ字面が大きくフトコロが広い点が特徴です。その特徴を取り入れたTPめいげつの仮名もフトコロが広く、明るい表情をしています。欧文は、定家様(ていかよう)に調和するラテン文字を新たに書き起こし、月光を想わせる雰囲気のあるスクリプト体に仕上げました。フトコロがゆったりした仮名に合わせ、やや幅広の字形で全体を設計しながらも、軽快なストロークによって、心地良い読みのリズムをもたらす書体になっています。漢字は、TP明朝ハイコントラストのファミリーを合わせています。

藤原定家の筆跡を範とした実用性の高い書体
TPめいげつは、秋の澄んだ空に映える月をイメージした書体です。「めいげつ」の名は、藤原定家*が56年にわたって書き綴った日記「明月記」から採っています。TPめいげつは、定家様のエッセンスを吸収しながら、現代に通じる明快さを持ち合わせています。文字の判別性を重んじた定家の筆跡に範をとったTPめいげつは、今に通じる読みやすさがそなわった実用性の高い書体です。
*藤原定家:平安時代末期から鎌倉時代初期にかけての公家であり歌人。「新古今和歌集」「小倉百人一首」を編さんしたほか、多くの歌論書を残している。定家様と言われる書風は、墨をたっぷり含ませた筆で極端に強弱をつけた筆圧の線質に特徴がある。

月光の雰囲気を漂わせるデザイン
TPめいげつの特徴は、鋭く入る起筆から太い終筆に至るメリハリのきいたストロークにあります。縦長のプロポーションが多い古筆の中で、扁平気味の独特なフォルムも定家様の大きな特徴です。TPめいげつの平仮名では、その二つの特徴を明確に表現しています。明月のイメージを引き寄せるため、月の形象を文字の一部に取り入れ、月光の雰囲気を漂わせるデザインを試みています。欧文も同様に、文字を連続させない筆記体で、読みやすさを保ちながらも軽快なリズムを刻む、これまでにない書体をデザインしました。シャープな起筆と高いコントラストは、射し入る月の光を、文字の太い細いは、月の満ち欠けを表す形象的な比喩になっています。
- WHITE MODE
- BLACK MODE
- A
ファミリー・仕様

文字セット
スタンダード版 (StdN)
9,498字 (Adobe-Japan1-3をベースにカスタムグリフを追加)