TPつらら

藤原俊成の筆跡を仮名デザインのモデルにした四季フォントプロジェクト第三弾のTPつららは、冬の冷たい空気が生み出す氷柱をイメージした書体です。

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    四季フォントプロジェクト第三弾はTPつらら 冬の冷たい空気が生み出す氷柱をイメージしたシャープな書体 The unique Fujiwara no Teika handwriting is arranged in a modern style.

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    四季フォントプロジェクト第三弾はTPつらら 冬の冷たい空気が生み出す氷柱をイメージしたシャープな書体 The unique Fujiwara no Teika handwriting is arranged in a modern style.

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    四季フォントプロジェクト第三弾はTPつらら 冬の冷たい空気が生み出す氷柱をイメージしたシャープな書体 The unique Fujiwara no Teika handwriting is arranged in a modern style.

製品について

概要

藤原定家の個性味あふれる筆跡を現代風にアレンジした四季フォントプロジェクト第二弾のTPめいげつに続く第三弾、TPつららは氷柱をイメージしたフォントで、藤原俊成の筆跡を仮名のデザインのモデルにしています。藤原定家の実父である俊成は、平安王朝末期の和歌の大家で、彼が書いた『古来風体抄』は、後代の日本文化に大きな影響を与えました。俊成の文字は、鋭い起筆・終筆、転折部に特徴があり、癖の強い字形とあいまって独自の書風を形成しています。

*古来風体抄(こらいふうていしょう)
鎌倉時代初期に成立した歌学書で、藤原俊成が式子内親王の求めにより執筆したとされている。俊成のまとまった歌論書としては唯一のもので、さまざまな歌集から例歌を選び短評を加えたもの。


冬の冷たい空気が生み出す氷柱をイメージしたTPつららは、冷え・寂び・枯れに残る艶のエッセンスを書体デザインに注入することを企図しました。TPつららの主軸をなすのはひらがなの縦組みですが、現代における用途としてカタカナの横組みが新鮮かつ実用的です。欧文は、和文との調和を図りながらも欧文独自のテイストを貫き、引き締まった空気を感じさせる書体に仕上げました。仮名よりもオリジナルの要素が強い欧文ですが、角張ったカーブなどは、バスタルダ**などブラックレターの速記体系の形を参考にしています。漢字は、縦画の起筆とウロコの尖り具合が仮名とマッチする濱明朝のヘッドラインを組合せています。

**バスタルダ
重要ではない書物や写本する際の簡略化した文字として開発されたゴシック書体。15世紀から16世紀にかけてフランスやドイツで使用された。


コンセプト

四季フォントプロジェクトは、四季の風物を書体に反映する「季節性」、詩歌・歌謡をはじめ韻文の表現をゆたかにする「抒情性」、古今東西の良質な文化を受け継ぐ「継承性」を三要素として、日本語をよりゆたかにより繊細に表現することを目指しています。さまざまな時代の古典に学び、広く世界の文化・芸術からエッセンスを吸収し、現代に適した新しい書体を提案します。

四季フォントシリーズ第一弾では、初夏を代表する花「あやめ」「かきつばた」をイメージしたTPアイリス、第二弾では秋の月を主題としたTPめいげつを発表しました。第三弾となるTPつららは、冬の冷たい空気が生み出す氷柱をイメージしたフォントで、強い個性をもちながらも現代的な場面でも高い実用性を発揮する書体です。

特徴

TPつららは、藤原俊成の筆跡を活かしつつ、つららの鋭さと冷たさを文字形象に反映し、氷の艶と輝きをイメージしてデザインしました。その子である藤原定家の文字も個性的ですが、俊成の字もほかに類を見ない独特な姿をしており、その魅力を保ったまま現代に通用する書体に仕上げました。欧文は、つららの鋭さを表現するため、ペンによる筆記をベースに書体づくりをおこなっています。長めのアセンダーとディセンダーは、細長いつららを想起させることを意図した設計です。仮名の転折部にあたる欧文字形の折り返し部分を角ばらせることでつららの印象を強め、冬の寒さを連想させるデザイン処理を随所に取り入れています。濱明朝のヘッドラインの漢字と合わせることで、コントラストの強さにおいても釣り合いがとれています。漢字と仮名、和文と欧文の響き合いは、四季フォントの見どころのひとつです。




ファミリー

TPつららは、鋭い印象のハイコントラストを軸に、EL (Extra Light)からH (Heavy)の6つのウエイトで構成されています。L (Light)から R (Regular) が、ベースにした俊成の筆跡に近い太さです。細身の文字に書体の特徴が現れやすく、また、太いウエイトでも特徴を保ったまま、見出し用途で強い印象を与えることができます。TPつららは、古典をベースにしながらも、現代的でシャープな雰囲気の書体ファミリーです。

仕様

主な仕様 OpenTypeフォント
クロスプラットフォーム
アウトライン抽出可
PDFエンベッド可
詰め情報あり
解像度制限なし
ダイナミック・ダウンロード
動作環境 macOS
Windows 10/11
文字セット スタンダード版(StdN)
9,534字(Adobe-Japan1-3に準拠)
対応言語 *下記の30言語をほぼフルにカバーしています。
日本語(メイン言語)、英語、アイスランド語、アイルランド語(新正書法)、アフリカーンス語、アルバニア語、イタリア語、インドネシア語、エストニア語、オック語、オランダ語、オロモ語、ガリシア語、スウェーデン語、スコットランド・ゲール語、スペイン語、スワヒリ語、デンマーク語、ドイツ語、ノルウェー語ブークモールおよびニーノシュク、フィンランド語、フェロー語、フランス語、ブラジル・ポルトガル語、ブルトン語、ポルトガル語ラテン語(基本的なマクロンなしの古典正書法)、ルクセンブルク語、レト・ロマンス語、ワロン語

注1: Std版のオランダ語はIJ(U+0132)とij(U+0133)を分割表記した場合の書法のみ、ポルトガル語ラテン語は基本的なマクロンなしの古典正書法です。
注2:日本語スタンダード版は、Adobe-Japan1-3に含まれるプロポーショナル欧文の定義がISO8859-1全文字およびŠ、š、Ź、ź、Œ、œ、Ÿを含むことから対応言語として多種の言語を使用可能になっています。これらの欧文字種の半角異体字についてはAdobe-Japan1-3の領域にすべては含まれておらず、半角欧文のフル対応言語は英語のみになります。