AXISラウンド

概要

AXISラウンドは、AXIS Fontで表現できる世界をさらにゆたかにするために開発したフォントです。ウエイトは、UL (ウルトラライト)、EL (エクストラライト)、L (ライト)、M (ミディアム)、B (ボールド)、H (ヘヴィ)の7種類で構成されており、それぞれAXIS Fontベーシックの各ウエイトに対応しています。 AXIS Fontのシャープな輪郭がわずかな丸みを帯びたAXISラウンド 50は、モダン・サンセリフのすっきりした印象を保ちながら、柔らかな空気を醸しだします。AXISラウンド 100は、親しみやすさとともに、端正な空気をまとった「現代的な丸ゴシック」です。通常の丸ゴシックとは異なり、内径を丸めていないことにより、モダン・サンセリフのシャープな表情を残しています。

AXISラウンドのコンデンスとコンプレスは、ニュートラルさが持ち味のAXIS Fontファミリーのなかにあってとりわけユニークな個性をもったフォントです。和文長体ファミリーの先駆けとなったAXIS Fontのコンデンスとコンプレス同様、長体に適した骨格で基本設計をおこなっているため、印象的な文字でありながらも、心地よい自然なリズムを感じさせます。空間効率の良さと可読性の高さによってサインシステムなどで多く採用されているAXIS Fontコンデンスの機能に、親しみやすさという軸が加わり、活用シーンがさらに広がります。

コンセプト

AXISラウンドは、AXIS Fontの特徴であるシンプルで明快なデザインを受け継いでいます。AXIS Fontは、そのシャープですっきりとした印象から、建築やプロダクトの分野で導入されてきました。一方、食品や衣料品など、柔らかさを表現したいシーンでは、手間をかけてAXIS Fontの角を丸めたり、あるいはアプリケーションの機能を利用して擬似的なラウンドフォントとして使ったりといった試みがなされてきました。ただ、こうした方法は運用が難しく、また、機械的な変形をかけた場合、必ずしもイメージ通りの結果が得られるわけではありません。AXISラウンドはこのような状況を踏まえ、「もうひとつのAXIS Font」というニーズに応えることを目指しています。

AXISラウンドは、ひらがなの横画をできるかぎり水平もしくは水平に近づけたAXIS Fontの基本設計を活かしてデザインしています。欧文とのマッチングや横組みでの安定感の高さにより、他のラウンド系欧文フォントとの組合せでも効果を発揮します。AXIS Fontファミリーの一貫したデザインアイデンティティと豊富なバリエーションは、紙面や画面に統一感を与えるのに適しています。

特徴

わずかな丸みで穏やかな表情のAXISラウンド 50 と、ストロークの先端がほぼ半円のラウンド 100。シンプルでヒューマンなAXIS Fontファミリーに、ラウンドシリーズが加わることで、さらにゆたかな表情を使い分けることが可能になりました。

ラウンド 50

AXISラウンド 50のウルトラライトとエクストラライトは、タイトルや広告の見出しなど大きなサイズで文字を使用すると、やわらかな角アールの効果を発揮します。ライトとレギュラーは、20ポイント以上で使用すると穏やかな空気感が立ち上がってきます。ミディアム以上のウエイトでは、よりマイルドな表情がはっきりと表れ、とりわけボールドとヘヴィは、穏やかなAXISラウンド 50ならではの口調を表現することができます。

AXISラウンド 50は、AXIS Fontのストロークの先端の半分を直径とする正円を使って角を丸めたところから命名していますが、実際には、視覚調整によりウエイトごとに丸みのパーセンテージを変えています。ヘヴィとボールドは50％、ミディアムとレギュラーは55％、ライトとエクストラライト、ウルトラライトは60％の比率で調整しています。また、正円では尖って見えてしまう箇所では、扁平を採用して安定感を出しています。

ラウンド 100

AXISラウンド100のウルトラライトとエクストラライトは、紙面や画面にほどよいやわらかさを与えます。ライトとレギュラーは、内径の鋭さと外径の丸さが清新な調和を見せ、新しい視覚効果をもたらします。細いウエイトで個性が光るAXS Fontとは異なり、AXISラウンドは太いウエイトのボールドとヘヴィで際だった効果を発揮します。

AXISラウンド 100は、ストロークの先端を直径とする正円を基本とし、丸くすることにより小さい印象になる部分ではストロークを延伸したり、よりなめらかな形になるよう漢字の凹凸を減らすなどの細かな調整をしています。また、仮名は先端を正円にせずに、視覚的に正円に見えるようにデザインしています。

ファミリー

柔らかい空気を演出するAXISラウンド 50、そして見出しなどで効果を発揮するAXISラウンド100。それぞれコンデンスは、漢字80％の長体に対して仮名を76％に、コンプレスは漢字60％に対して仮名を50％に設定しています。

コンデンスのウエイトは、UL（ウルトラライト）、EL（エクストラライト）、L（ライト）、R（レギュラー）、M（ミディアム）、B（ボールド）の6種類、コンプレスのウエイトは、UL（ウルトラライト）、EL（エクストラライト）、L（ライト）、R（レギュラー）、M（ミディアム）の5種類で構成しています。

仕様