プロダクションタイプ ジャン=バティスト・ルヴェ

新しく機能的で使いやすいフォント

フランス パリを拠点としたデジタル タイプデザイン会社Production Type (プロダクションタイプ)の創業者であるJean-Baptiste Levée (ジャン=バティスト・ルヴェ)氏にお話をお聞きしました。

1. プロダクションタイプについて教えてください。

私たちは、デザインプロフェッショナル向けのリテールフォントのオンラインショップでの販売から、製造業、ハイブランド、ファッションやメディア業界向けのカスタムフォントの開発まで幅広く行なっています。

芸術性の表現として、歴史とテクノロジーを両立させるというアプローチで系統的に作業を行い、デザイナーにとって機能的であり使用範囲の広いプラットフォームとしてフォントを制作しています。これまでに、製造業や映画業界、ファッションや出版向けに100を超えるタイプフェイスをデザインし、多くの賞を受賞しています。また、海外でも紹介され、フランス国立図書館と国立芸術センター、シカゴのニューベリー図書館やヨーロッパのいくつかの印刷博物館で常設コレクションとして展示されています。

2. プロダクションタイプで人気のあるフォントについて教えてください。

多くの人が、StratosやProto Groteskを楽しんで使ってくれているようです。私たちは最近、このふたつのフォントにキリル文字とギリシャ文字を追加して拡張しました。また、MinotaurとMarsの人気もあがってきていると見ています。

3. 新しくリリースしたフォントはありますか?

昨年の秋に、フランス人デザイナーのHélène MarianによるPVCをリリースしました。 彼女のサインペインティングに影響を受けた、とても楽しい4つのスタイルのフォントです。現在、私たちはProto Grotesk Mono、キリル文字やギリシャ文字、そしてProtoスラブコンデンスなど、Protoファミリーの拡張に注力しています。

4. オリジナルフォントとカスタムフォント開発の割合はどれくらいですか?

その質問に答えるには、カスタムオーダーとは何かを定義しなければなりません。例えば、私たちは自分たちのフォントのカスタマイズを多く行います。私たちは、プロジェクトベースの収益に頼るのではなく、プロダクトを重視するようにしています。これまで、この方法でうまく続いています。

5. プロダクションタイプのお客様は、どのようにフォントを使用していますか?

それは最も予想外の使用方法で、と言わなければなりません。私たちがフォントをデザインするときには、使い方について多くの可能性を想定します。そのような予測なしでは何もデザインすることはできません。ですが、実際の使用は、いつも想像とはかけ離れたものなのです。私はフォントの使い方について、強い思い込みにとらわれるのをやめることにしました。オープンに考えることが大切で、だからこそ楽しみながら驚くことができます。

6. プロダクションタイプのフォントを購入できる国はどこですか?

オンラインで販売しているので、誰でも買うことができます。

7. フォントは、どのようなデバイスに搭載されていますか?

TVセットトップボックスやスポーツカーなどさまざまです。フォントを表示するスクリーンがあるものであれば、私たちのフォントを採用してもらうチャンスがあると思っています。

8. 現在進めているプロジェクトと、これから始めたいと思っていることを教えてください。

私たちは、雑誌やブランディング向けなど幅広く使えるリテールフォントを増やしています。今年後半には、いくつかのフォントファミリーをリリースする予定です。また、同時にカスタムフォントの開発も続けていますが、そちらについては時期が来たら公表することにします。

9. フォント業界においての御社のポジションと存在意義についてどのように思いますか?

「新しく機能的で使いやすいフォント」を提供していると思っています。おそらくあまり知られていないかもしれませんが、私にとってもう一つの重要な部分として、書体見本帳の発行があります。それはタイプデザインという文化の特定の部分に関するエッセイとしての役割も持っています。

10. オープンソースやフリーフォントについてどのように思いますか?

そのニーズの方向を示すことで、存在意義が評価されるでしょう。そして、それらが賢明に扱われることで、価値を生み出すことを証明できると思います。

11. タイププロジェクトについてどう思いますか?

私は、タイププロジェクトのデザインアプローチの大ファンです。さらにお互いに理解を深め、協力してクライアントへの共同提案をしていきたいと思っています。

12. フィットフォントサービスについてどう思いますか?

ブランドの一貫性を保つための重要な要素です。フィットフォントは、クライアントへの提案の完璧なソリューションでした。リーズナブルな価格で、リテールフォントとカスタマイズのベストな組み合わせを実現してくれたことで、私たちが提供する品質を維持しながら、顧客ブランドの声を日本市場に拡大することができました。

写真:© Charlotte Robin © Julien Lelièvre © AvantPost