Blaze Type Matthieu Salvaggio

神話や建築からインスピレーションを得たフォント

Blaze Typeの創立者でタイプデザイナーのMatthieu Salvaggio氏にお話を聞きました。

1. Blaze Typeについて教えてください。

Blaze Typeはフランスの独立系タイプファウンダリーで、コンテンポラリーなリテールフォントとカスタムフォントの制作に力を入れています。デザイン的にも技術的にも高品質なフォントを作成し、タイプデザイナーの作品を世に広めることが私たちの目標です。Blaze Typeの特徴は、リリースするフォントが多岐にわたることです。多くの言語に対応し、さまざまな代替文字やスタイルとウエイトの幅広いフォントファミリーを展開しています。神話や建築から多くのインスピレーションを得て、それを元にフォントをデザインしています。

2. Blaze Typeで人気のあるフォントについて教えてください。

『ヨハネの黙示録』からインスピレーションを得たディスプレイ用セリフフォントのApocと、北欧の神話と建築からインスピレーションを得たサンセリフフォントのSurtです。どちらも、あらゆる場面において表現力と使いやすさを発揮する、私たちを特徴づけるフォントファミリーです。

3. 新しくリリースしたフォントはありますか?

毎年、多くのフォントをリリースしています。最新のフォントはHugo JourdanがデザインしたSlussen、そしてLéon HuguesとMatthieu SalvaggioがデザインしたRulesです。

4. オリジナルフォントとカスタムフォント開発の割合はどれくらいですか?また、カスタムフォント開発について教えてください。

毎年、複数のリテールフォントを発売しています。フォントのデザインは完成までに数年かかるものもありますが、常に2つ以上のリテールフォントファミリーを制作するようにしています。

件数は年によって違いますが、毎年クライアントから直接カスタムフォント制作の依頼をいただきます。クライアントのニーズに合わせた多言語フォントを制作したり、ブランドをイメージしたフォントファミリーのためにカスタムフォントを新しくデザインしたり。また、Blaze Typeのフォントをベースに、クライアントのニーズに合わせて変更を加えたカスタムフォントの制作もしますし、カスタムロゴのデザインもします。どのプロジェクトも、まずクライアントのニーズをしっかり把握するための話し合いから始めます。

見た目も使い勝手も良いフォントをデザインするためには、そのフォントがどんなソフトウェアで使われ、どこに表示されるのかなど、クライアントがそのフォントをどのように使いたいのかを理解することが重要です。クライアントがそのフォントを使って最終的に何をしようとしているのかをよく話し合い、理解を深めることで、より質の高いフォントを提供できます。これまでに、Hall & Partnersのブランドフォントや、Ogilvy LabのVolleybal Worldフォントシステム、GraphéineのLe Mont Saint Michelのためのフォントなど、さまざまなクライアントと良い仕事ができました。

5. Blaze Typeのお客様について教えてください。

クライアントは、ほとんどがデザイナーやデザインスタジオ、デザインエージェンシーです。提供するフォントは、ポスター、書籍、ウェブサイト、アプリ、サイネージシステム、そしてビデオインスタレーションなど、ありとあらゆるものに使われます。光栄なことに、Blaze TypeのフォントはPentagramのような有名エージェンシーや世界各地のフリーランスデザイナーに使っていただいています。Blaze Typeのフォントをデザイナーの方々に使っていただくことが私たちの喜びです。私たちのフォントを使った作品を見るのが本当に楽しみです!

6. フォント業界における御社のポジションと存在意義についてどのように思いますか?

Blaze Typeは2016年に1人でスタートしたところから徐々に成長し、今では世界各地からさまざまなタイプデザイナー、グラフィックデザイナー、モーションデザイナー、デベロッパーが参加しています。現在の主な目標は、世界中の若いフォントデザイナーの作品を世界に広げ、彼らとともに教育やコラボレーション、制作、販売をしていくことです。先ごろ、The Box(https://blazetype.eu/the-box)という小さなファウンダリーを立ち上げました。ここでは才能ある若いデザイナーたちの作品を毎月紹介していく予定です。

7. オープンソースやフリーフォントについてどのように思いますか?

私自身は、誰でも手にすることができて、アップデートや変更を加え、進化させていくプロジェクトというオープンソースの考え方は好きです。オープンソースフォントやフリーフォントが商用フォントの代わりになるとは思っていませんし、それぞれ用途や市場が違います。ただ、ひとつ問題があるとすれば、世の中にはフォントは無料であると考える人がいることです。インターネットで手に入るほとんどのものは簡単にダウンロードして使用でき、無料のように見えるからです。私たちは、フォントが持つ意味やライセンスの存在を理解してもらわなければいけないと考え、そうした点を主張するためにも、Blaze Typeのフォントを適正な価格で公正なライセンスのもとで使っていただけるよう最善を尽くしています。

8. タイププロジェクトについてどう思いますか?

タイププロジェクトを知ったのはクチコミでした。私たちは、以前からアジアの、とりわけ日本の会社と関わりたいと思っていました(日本には元々とても興味があるのです)。

私は日本語や和文フォント制作についての知識がほとんどないので、ビジュアルの面からしか話すことができませんが、本当にすばらしいと思います。TPスカイの核心を突いたデザインはエレガントで安定感があり、とても好きです。私にとって明朝体は特別な存在なのですが、特にハイコントラストが好きです。手描きデザインとデジタルデザインのちょうど良いバランス保っていると思います。私たちがフォント制作で目指しているのは、伝統とコンテンポラリーなデザインのちょうど良いバランスを取ることです。目標はとてもシンプルで、私たちのフォントをユーザーである企業のニーズに合うものにすることが最終的なゴールです。

9. フィットフォントサービスについてどう思いますか?

こうしたサービスを提供するというのはすばらしい発想だと思います。ユーザーがデザインする上で求めているとおりのものを見つけることができるサービスは、皆がやるべきでしょう。この試みに参加できることが本当に光栄で嬉しく思います。そして、私たちのフォントを使ったすばらしいプロジェクトを見ることを楽しみにしています!