コントラプンクトとの協業

デンソー フィットフォントプロジェクト

未来は語るものではなく、つくるもの。デンソーはこれまでも、画期的な製品や機器のための革新的な技術を提供してきました。「100 年に一度」と言われる自動車業界の変化の中で、世界を見据えた新たな未来をつくるために、「人にとって大切なものを創り上げ、磨き続ける」という思いをこめた「Crafting the Core」というコーポレートスローガンを制定しました。最初に着手したのは、伝統や品質、世の中に向けてデンソーが大切にしていることを伝えたいという、熱い思いが込められた DENSO ロゴの進化と、それを基盤として展開するコーポレートフォントの開発でした。

書体をセミオーダーできるサービスがあるとは思っていなかったので、フィットフォントに巡り合ったときは、光がさした感じでした。

「SNS を使った展開など、自社で開発することができるメディアが重要性を増していく中で、フォントの存在がよりクローズアップされています。欧米の企業では、広告やプロダクトラインなどで一貫したイメージを発信するために、コーポレートフォントを使うことが多く見受けられます。より広くコミュニケーションをするために、そして印象を残すための大事なツールとして、フォントが必要だという機運が高まりました。世界を見据えた展開のために、最初に取り組んだのがオリジナル欧文書体の開発です。そこでパートナーに選んだのがKontrapunkt (コントラプンクト) でした。実績はもちろん、欧州を拠点にしていること、そしてデザインに対する姿勢に共感できていたので、最良のパートナーだと思いました」と、株式会社デンソー 広報部 ブランド推進室 宣伝制作課 課長・村松 正巳氏は語ります。

コントラプンクトは、デンマークのコペンハーゲンに本拠地を置き、戦略的デザインとブランディングの分野において、北欧をリードするブランディングエージェンシーです。コーポレートフォント開発は、20年前から使用しているDENSO ロゴを変えずに進化、洗練させること、ロゴに込めた思いを反映することが条件でした。最初に、1996 年から使用しているDENSO ロゴの文字のバランスやアンカーポイントの整理、カラー設定などを相談するところから始めたといいます。欧文コーポレートフォントの開発は、DENSO ロゴの狙いを書体に反映するため、一定のレンジの中から突き詰めて行くというプロセスをとりました。以前は、既存のHelvetica というサンセリフ書体を制定フォントとして使用していましたが、DENSOロゴとの親和性を高めるため、セリフ書体体を先行して開発し、続けてサンセリフ体も整備しました。グローバル展開を前提としているため、欧米やアジアの各拠点にも、それぞれの文化を背景とした視点からの意見を求めました。また、社内デザイナーから使用感などの意見を集めてコントラプンクトに伝え、フォントの精度をあげることに注力しました。

「欧文書体の完成が近づいたところで、日本語はどうしようかということになりました。和文書体の開発には時間もコストもかかることを知っていたので、オリジナルの開発には手を出せないと思っていました。そんな時にフィットフォントに巡り会ったのです。書体をセミオーダーできるサービスがあるとは思っていなかったので、光がさした感じでした。新ゴが制定書体となっていましたが、デザイン部では以前からAXIS Font をいろいろなコミュニケーションの場面で使用していたので、AXIS Font をベースにしたフィットフォントを導入することに、全く抵抗がありませんでした」

タイププロジェクトは、自社のフィットフォント技術により、コントラプンクトが開発した欧文フォントに合わせてAXIS Font のウエイトを調整し、「DENSO TP 2017」「DENSO Sans TP 2017」として提供しました。このデンソー初のコーポレートフォントは、2017 年1 月からWeb サイトやTV コマーシャル、交通広告、新聞広告で運用が開始され、会社案内や全社員の名刺、レターヘッドなどでも、すべて「DENSO TP 2017」が使用されています。コーポレートフォントが完成したことで、スムーズなプロジェクトの開始が実現できることに期待していると言います。

「クリエーションのスタートに、デンソーのアイデンティティが込められたコーポレートフォントが在るということに価値があります。お客様とのタッチポイントすべてで、同じデザインメッセージで届けることによって、蓄積されていくものがあると思います。デンソーは、B to B 企業なので、タッチポイントはあまり多くありませんが、メディアが効率的に連携してお客様のイメージの中に染み込んでいってくれたら、と思っています」

欧米では、文化として書体のリテラシーが進んでいます。今後、日本においても書体に対するリテラシーがより向上していく中で、デンソーはコーポレートフォントを通じて、ものづくりへのこだわりを発信し続けます。

お客様とのタッチポイントでのフォントの重要性を考えました。コーポレートフォントとオウンドメデイアの相性の良さを感じますので、共感いただける企業には、コーポレートフォントの導入をお勧めしたいです。