シンプルで風通しのよいサンセリフ

AXIS Fontの特徴はシンプルで風通しのよいデザインにあり、Ultra Light、 Extra Light、Light、Regular、Medium、BoldそしてHeavyまでの7ウエイトが揃っていることです。極細のUltra Light(ウルトラライト)によって、これまでの日本語フォントではできなかった新鮮な見出し表現が可能になりました。また、ひらがな・カタカナ・漢字などの和文書体と欧文書体の相性は抜群で、混植した時に効果を発揮するバランスのとれた設計となっています。白地が活きる字面率の設定により、すっきりした文字の表情をデザインしました。雑誌一冊をひとつの書体ファミリーで組むことを想定しているため、一貫した表情を保ちつつも変化に富んだ誌面デザインが実現できます。実際にAXIS誌では、AXIS Fontファミリーを全面的に採用し、ニュートラルかつダイナミックな誌面づくりを展開しています。シンプルで風通しのよいモダンなサンセリフ書体であるAXIS Basicは、明快かつ知的な表情の文字組を実現するとともに、和文書体と欧文書体を併記しても全く違和感がありません。21世紀の幕開けとともにデビューしたAXIS Fontは、新たな時代の空気を反映した日本語フォントのスタンダードです。

コンセプト

AXIS誌で使用することを想定としていましたので、まずは雑誌の書体はどうあるべきか、というところから検討を始めました。AXIS誌は基本的にプロダクト系のデザイン誌ですが、取り上げるテーマは、建築や伝統工芸、情報デザインなど多岐にわたります。さらに、二か国語表記というところが大きな特徴です。幅広いテーマとバイリンガル表記、この雑然としてしまいがちな情報をいかに統一感のあるものにするかという課題に、書体がどう貢献できるのか。それがAXIS Fontのコンセプトを決定する土台になっています。誌面がほぼ全面的に横組ということも、書体のスタイルを左右する重要な条件でした。

AXIS誌面

ウエイトの決定

AXIS誌の本文とキャプション用に設定したAXIS Font Lightは、それまでAXIS誌で使われていた書体とほぼ同じウエイトにして、読者の目になじんだ誌面の印象が大きく変わらないようにしました。ウエイトのバリエーションは、「見出しには太いウエイト」というセオリーをやぶり極細ウエイトで人気が高かった Neue Helvetica UL とLinotype Univers ULを念頭におきました。極細ウエイトの和文がないために欧文ばかりが使われていることが多いので、日本語にもがんばってほしいというひそかな思いをUltra Lightに込めています。

Ultra Lightがあまりに細いので、10pt以下あるいは印刷の状況によってはそれより大きなサイズでも線がとんでしまう可能性があります。そのUltra Lightをサポートするウエイトとして、Extra Light(エクストラライト)を開発しました。Ultra Light 、Extra Lightともに見出しで使用されることを想定しています。

一番太いウエイトのHeavy(ヘヴィ)は、それまでAXIS誌の見出しで使われていた書体をカバーする太さにしています。Heavyは以前の書体よりもカウンターが狭いため、小さいサイズでは文字が黒くつぶれてしまう可能性があったため、小さめの見出しで使用しするためにBoldを制作しました。*カウンターとは、例えば”田”の字の線画に囲まれた四つの白い部分をさします。

テキストとサイズ

AXIS誌のテキストは、6pt弱のキャプションと8pt弱の本文がメインですので、そのサイズでもっとも読みやすいということを重視しました。組版テストは主にこのサイズを中心におこなっています。組版テスト用の文章も、AXIS誌で実際に使用されたテキストをつかって、キャプション、本文、見出し、目次などをそれぞれAXIS誌と同じサイズで組んで検討しました。

使用サイズの目安

欧文の基本デザイン

AXIS Basicの欧文書体は、エレガンスさとクールさを持ちながら新しいたたずまいを実現するというコンセプトでデザインしています。X-ハイトは高めで、仮名の大きさとふところ具合とマッチングさせ、ややコンデンス気味に制作しました。

2003年 グッドデザイン賞 コミュニケーションデザイン部門 コミュニケーションデザイン 受賞