テストサイトの確認と仮名の手直し。午後からレタースペースの二階で面接をおこなう。高田馬場で夕食。

長らく仮留めになっていた書体に手をつけてみる。いちど離れた書体に呼吸を合わせるのはちょっとたいへん。まずは準備体操のようなところから。徐々に身体を水になじませるようにして、開発を本格的に再開するまでにこの書体固有の感覚をとりもどしておきたい。たとえればこれは遠泳に臨む心境に近い。ひとたび生産が始まれば、泳ぎきるためのフォームとペースをつかむのが大事な要素になる。

テストサイトの確認。運用開始後に見直しをおこない、適切な更新を図っていきたい。良くなる余地が十分にありそうだから。

2013年のレビューが終わって頭がすこし整理できたので、開発を保留にしていた書体の資料をひっぱりだして眺める。一つひとつのフォントの存在意義を明らかにすると同時に、それぞれのフォントを孤立させないよう有機的に関連づけて考える。たとえば都市フォントのように。

定例ミーティングでマネージャーに昨年のレビューをしてもらい、それを受けて今後の方針と重点課題について説明をおこなう。売上推移のグラフとこれまでの感覚的な把握では異なる点が少なくない。そのギャップに目を向けることで具体的な方策が見えてくる。

運動不足を解消するため自転車ですこし遠出する。遅めの昼食はハムと玉子のサンドイッチ。食後はもちろんコーヒーを飲みつつ読書。夜はお好み焼きをつくって家人にふるまう。きのうおみやげに買ってきた鳥釜めしも好評。

午後から松屋銀座に出かける。8階の古書市を回ったあと7階のデザインギャラリーへ。『日本デザインコミッティーフォント展』佐藤卓さんと両見さんのトークショーを聴く。日本デザインセンターの大田さんがトークショーの撮影をしておられた。会場をぐうぜん通りかかった大学時代の友人夫妻と焼き鳥を食べに行く。

CD-Rを買いに行ったついでに家電の商品カタログを見て回る。家電量販店はフォントの使用状況を確認するには打ってつけの場所のひとつである。思いのほか時間をとってしまったのでミスドをあきらめ、仕事場にもどってカレーうどんを食べることにした。

作り手が自信を持って世の中に出せる製品であること。それは前提として、とかく陥りやすいのは、作り手の満足度が優先されて、ユーザーに喜んでもらえるかどうかの判断がないがしろにされるという罠である。長期間向き合いつづける文字の向こう側にいる未来のユーザーと、その周りの環境を想像すること。それを考えつづけること。文字に対する配慮は、人と社会に対する配慮につながっている。

NEXT >>