次期リリースフォントの文案を練り直す。開発していたときの熱い気持ちを思い出すために、当時つくった組版サンプルを眺めたり、関係資料を読み返したりしているうちに徐々に熱を帯びてきた。開発意図や存在意義、吟味工夫した点など、ついにはこれは語るに足るいい書体だと思い直すに至った。それと共に訪れた喜びは、開発に携わった者だけに与えられるご褒美のようなものなのかもしれない。